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独りの夜…秒針の音が止まるとき…
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一言日記通信
ホラー生活まっしぐら。
HN:
Ф倉闇乃奈香Ф
年齢:
44
性別:
非公開
誕生日:
1979/05/05
職業:
どうなんでしょう。
趣味:
映画(おもにホラー)
自己紹介:
ホラー大好き。

洋画:28日後…「エンディングが2パターンありバットがいい感じ」

邦画:サイレン「酷評ばかりの中、最後の消化しきれない不快感がわりと好き」

最近の注目:ひとりかくれんぼ「いずれ小説読むつもり」
ホラー短編小説を掲載してます。
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授業が終了してすぐ、3人の女友達と連絡をとった。

一人は同じ大学の違うゼミに通う赤城春美(あかぎはるみ)。
黒髪のロング、身長は165cm。明るく活発な彼女は、よく僕のゼミに来ては他の女の子達と楽しそうにおしゃべりしていた。


「よう、元気?」
僕は春美に軽く片手をあげる。
「ありゃ、陽ちゃん。どしたの?珍しいね。」
友達と帰る準備をしていた春美は、パッと笑顔を向けた。
隣にいた彼女の友達が春美をひじでつつく。
ヒソヒソと春美に耳打ちをした。
「…だ、だれ、イケてるじゃん!」
「あれ?会ったことないっけ?池内ゼミの桐生太陽(きりゅうたいよう)。」
「ないない!見たら忘れないよ。」
一向に終わる気配のないヒソヒソ話に、僕は辛抱強く待った。
…お願いする側としては、機嫌を損ねる様な事はしたくないし。

キリのいいタイミングを見計らって、僕は話に割って入る。
「…でさ、春美にちょっとお願いというか、お誘いがあるんだけど。」
「なになに?」
「この後空いてる?飲み会に参加できるかな。」

春美の隣で「いいなー。」という声が聞こえた。
「君も来る?」
何気なく聞いてみる。
「ええぇぇぇ?!!」
思った以上にでかい反応が返ってきた。
「いいんですか?まじ、嬉しい。あたし、山下薫っていいます!」
「僕は…」
「桐生太陽くん!さっき春美に教えてもらっちゃいました。」
薫は高揚した声で目を輝かせている。
…飲み会好き?

僕は呆気にとられながら、春美に目を戻す。
「春美は?」
「何時から?バイトにちょっと顔出さないといけなくてさ~。」
「集合時間は6時半で、駅前のお好み焼き屋なんだけど。」
「間に合うかな~、行きたいけど。」
「修平の事だから二次会も予定してるさ。」
「なら、二次会からの参加って事で!」
春美はニコっと笑った。
「かおりんは陽ちゃんと一緒に行けば?」
「…え」
顔を真っ赤にした薫はちらりと僕を見た。
「一緒に行こうか?春美は遅れてくるし、一人で来るの心細いよね。」
「ぜ、ぜひお願いします!」
「じゃあ、私はバイトに行くね。陽ちゃん、薫よろしく!」
元気良く駆けていく春美を見送り、僕は薫に向き直る。
改めて見ると、薫は今時のギャルのような格好をしていた。
化粧も濃いめで、爪にはキラキラしたものが沢山ついている。
身長は僕と同じくらいありそうだ。
髪は上手にアップにしてあり、一生懸命手鏡でピン止めを直している。
目が合うと、恥ずかしそうに笑った。

「い、行く?」
「集合場所行く前にちょっと寄りたいとこあるんだけど、いい?」
「うん、いいよ~。」
落ち着いてきたのか、肩の力が抜け自然体で接してくる。
あいかわらず顔はほんのり赤い気がするが…。


僕と薫は好きな音楽の話をしながら、地下鉄に乗って駅前まで移動した。
「このマックで、もう2人と合流するんだけど…」
キョロキョロと辺りを見回す。
…遅いな、あいつら時間間違えたのか。
「太陽!いたいた!」
マックの店内で僕を呼ぶ声がした。
「愛子、みるきー。お前ら中にいたのか。」
「待ってたらお腹すいて、ポテトをちょっとね。」
「…お前ら、これから飲み会だって覚えてる?」
「ポテトなんて、たいした腹の足しにもならないし。」
コロコロと笑う愛子は、みゆきと腕を組んでポーズをとった。
「見てよ、このスレンダーボディ。太らない証拠!」
「この子、昼もマックだからね。私が胸焼けしそう。」
呆れて腕組している僕に、隣にいた薫がツンツンとつついてきた。
「ね、紹介してくれる?」
「あ、そうか、初対面だよな。」
僕が薫を紹介しようとすると、
「はいはーい!あたし月野愛子。こっちが西園寺美雪。」
「…美雪だけど、皆みるきーって呼んでるの。」
勝手に挨拶しはじめた。
人見知りのしない愛子におとなしめの美雪、性格は正反対だが常に一緒にいて仲がいい。二人は大学も同じで、小学校からの友達だった。

「あたしは山下薫。太陽くんと同じ大学なの。」
「へぇ、あったまいいんだぁ!」
「全然!補欠合格だもん。」
「あたしら、英科短期大学だから女ばっかでさ~。男がいる4年大学受ければよかったよ。」
「まじ?今からでも編入できるじゃん。」
「ダメダメ、あたし英語しかできないもん。」
「あたしはコンピュータの授業についてこれないよ。まじ、目痛くなる。」
愛子の軽いノリについてこれる薫にびっくりしたのか、美雪が呆然と二人のやりとりを眺めていた。
…ほっといたらこいつらずっと喋りそうだな。
僕は腕時計を見る。
6時10分。
「おい、そのくらいにして集合場所に移動するぞ。」
「はぁ~い。」
二人同時に返事をする。
その様子を見て美雪はうれしそうにクスっと笑った。


集合場所に向かいながら、美雪は愛子に話しかけた。
「愛子ちゃん、素敵なお友達ができたみたいね。」
「だね!あいつ面白くていいやつだよ。」
「…本当に編入試験受けてみたら?」
どこか寂しそうに美雪がぽつりと言う。
「嫉妬とかそんなんじゃないよ。…私、あと1か月もしたら入院しなきゃならないし、いつ戻れるか……。」
「何言ってんの!!」
急に愛子が大声で美雪を睨み付けた。
愛子の怒声に驚き、前を歩いていた僕と薫が振り返える。
帰宅ラッシュの駅なかを行きかう通行人も、何事かとチラチラ見て通り過ぎていった。
愛子は注目されているのも気にもせず、目を吊り上げて怒った。
「美雪!あんた、もう諦めたの?絶対治すんだって、あたしに約束したじゃん。」
「で、でも、私がいなくなったら、短大に友達いないでしょう。…あれ以来、愛子ちゃん友達作らなかったから…。」
今にも泣きそうな美雪に、愛子はプイっと背を向けた。
「あたし、先行く。」
「あ、愛子ちゃん…。」
僕の肩を軽く叩き、「美雪頼むわ。」と一言残して愛子は駆け出した。
「お、おい…。」
残された美雪はジワっと目を赤くする。
僕も薫も気まずい雰囲気の中、美雪を促し集合場所に向かうことにした。

ハンカチで目を押さえ涙を見せまいとする美雪に、僕は質問する。
「あのさ、みるきーの言ってた『あれ以来』って何?」
「…愛子から聞いてない?」
「うん、しばらく連絡とってなかったし。」
涙の止まった、はれぼったい目で美雪は僕と薫を見る。
うーん、と少し考え、
「愛子が話してないなら、私は言えないわ。…いずれ自分で話してくれると思うよ。」
「…そう。」
美雪の「病気」の事も気になったが、根ほり葉ほり聞くのは失礼だと感じた。
高校2年の時は三人とも別々のクラスになって、二人とは疎遠になってしまった。
会っていない間、色々あったのには間違いないのだろう…。
「太陽くん、このお店?」
不意に話しかけられ、僕はハッと顔をあげる。
どうやら、考えこんでいたらしい。
「ああ、やっと着いたか。」
「愛子ちゃん、間違えずに来れたかしら…。」
「愛子、方向音痴なの?あたしも、地図とかわかんないし~。」
ガラッと引き戸をあけて店内に入ると、店員が接客してきた。
「いらっしゃいませ~。何名様ですか?」
「ええと、古賀修平の名前で予約とってあると思うんだけど。」
「あ、もう中でお待ちのお連れ様がいらっしゃいますよ。」
接客した店員が、「ご予約のお客様をご案内しま~す!」と声を張り上げ予約席に通してくれた。


≪第三章へどうぞ≫現在執筆中です。
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